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『鬼龍院花子の生涯 』昭和57年
監督/五社英雄
原作/宮尾富美子
出演/仲代達矢、夏目雅子
この映画が上映された昭和五十七年、私は12歳で小六か中一位であったのだが、実際にみたのは十六歳の時で、映画館ではなくレンタルビデオで借りたのを実家のリビングで見ていた。
終わり頃に母と今の義理父が帰って来てしまい丁度、仲代達矢 が夏目雅子演じる養女を押し倒して巨乳をわしずかみにしているシーンを、熱く入り込んでみる事も出来無かった事もあり、やや未消化に終わってしまったので、映画自体 の印象がそれ程強かった訳でもないのだが、ゴールデン街かなんかで、女優の話になり隣の人が、二十歳そこらであの夏目雅子の演技を今の女優には出来る訳が無い。みたいなことを語っていたのを思い出して、つい借りてしまったのでした。もともとこの辺りの、五社英雄作品は時代背景もあり役者も豪華でそれなりに楽しめる事も前提としてあった訳なのだが、仲代の演技、役柄を見ていると、あらためてまだ、この時代にはいわゆる男性的美意識のようなものが辛うじて世に残っていたのだろうなあと思いました。制作費も相当使えたようで、物語の最初の方で出てくる土佐犬の闘犬のシーンなどはとても迫力があり、喰いいるように何度もみてしまいました。(本当は2回見ただけですが)話のあらすじは面倒なので、はしょりますが、要するに高知の豪傑で人情味のあるやくざの親分が何人も女と子分に囲まれた生活をしていて、その家に養女に来た夏目雅子が、家の厳しい掟や用事に追われながら秘かに勉強して、学校の先生になり、そこで恋仲となった左翼思想の男に仲代もしだいに感銘を受け、その思想を庇ったが為につい意地を張り過ぎて、政治的有力者を敵に回してしまい、身の破滅を承知しながらなおも単身適方に殴り込んで壮絶な最期を迎える。といった当時の東映画にありがちなパターンといえば、身も蓋も無いのだがこの映画のタイトルになっている『花子』は夏目雅子ではなく、仲代があまり出来の良くない妾に生ませたチョット頭の足りない長女の事でこの女性が物語の謎のキーマンになっているのだが、演じた女優も名前は忘れてしまったが、夏目雅子、岩下志摩、夏木マリ、他の豪華女優陣とならぶ程の存在感をそれなりに示しており、今現在女優としてどういった活躍をしているのか?何気に気になる所では少しあったりする。実は私が無知なだけで、結構今でも普通に女優として定着している方なのかもしれないが、あれだけの豪華女優陣の中で特別に『新人女優』みたいなクレジットをされていた全く美人でない主演女優が、実は映画のスポンサーの娘か愛人か何かで、その後バブルの崩壊や自身の女優としての努力の無さなどを背景に、自ら演じた鬼龍院花子の様に悲しく悲惨な最期を遂げたのではないか?というのは私の妄想であれば良いだろう。きっと。女優や物語の事はともかく、あらためて気付いた所としては、登場人物達の着物の柄や等、和服の色彩がエキセントリックな強度をもって存在感を示していた事(これも結構金かかっているんでしょうけど)が写真的思考として引っかかる部分ではありました。夏目雅子の巨乳ぶりについては、それはもうかなりのものでしたが、実は貧乳好きな私にとっては、遭えて取り上げるべき問題ではない事も、この場で語るべき問題でないことでしょうとおもいます。(2につづく)☆
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