2014年7月2日水曜日

三脚の視線

本来は、三脚を使った私の視線というべきか。

















ウチの web site にも書きましたが、今回の写真は三脚を使って撮影したものでした。ちょうどこの頃、中平さんの『植物図鑑』や、ウジェーヌ・アジェに興味を持った時で(いまだに、お二人のことは良く解らないでいるのですが・・・最近では、解ろうとする努力も怠っているような〜)、それから、荒木さんの『東京は、秋に』に凄く影響を受けたこともあり、フジフィルムのネオパンF(荒木さんはSSだったけれども)に三脚というチョイスでした。

柳川の沖端漁港で船を係留する“ともえ柱”
三脚を使うと、どうしても「撮りたい」と感覚的に感じた瞬間から、実際にシャッターを切るまでのタイムラグが長くなる。例えば柳川の沖端漁港で船を係留する“ともえ柱”が幾重にも連なっているのを目にした瞬間に、「あっ」と思って三脚を据えてファインダーを覗く。フレームの落ち着きどころを探りながら三脚を前後左右に移動していくうちに「撮りたい」衝動が薄れていく反面、観察力みたいなものが研ぎすまされていくのを覚えます。

フレームの左下に、作業用に加工された乳母車があって、奥には木で出来た橋を人が渡っている。フレーム下の見きれる辺りに煙草の吸い殻があって、それを入れようとファインダーを覗きながら三脚を少しずつ後ろへ下げていく。すると、画面がゆる〜く感じたので仕方なく吸い殻を諦めて三脚を再び前へ。さらに、ファインダーから目を離しカメラが向かっている方向を隅々まで観察する。といった具合に、手持ちで撮っている時とは明らかに違った視線の移動に気づくのです。

そうして、注意深く観察しながらシャッターを切っても、出来上がった写真をあらためて見てみると、実にいろんなモノが写り込んでいるのだから、やっぱり写真はおもしろい。

それにしても三脚と引伸し機って、未だかつて買ったことないんですよねー。
今使っている↑上の写真の三脚は友人の形見。それまでは、かみさんの三脚を使っていたし、引伸し機も不思議とタイミングよく譲り受ける機会があって、ありがたいかぎりです!

さて、今回の展示にあたって、収蔵してくださっている写真を貸していただきました、
『ギャラリー宙』の荒井崇さん、直子さんには心よりお礼を申し上げます。

そして、ご高覧くださりました方々、
本当にありがとうございました!      ムタ



Yangon から。の【追記】(これだけは書かせて!)

29日最終日。相変わらずド派手な白バイの先導でホテルから空港へ向った。お陰さまで予定よりも随分と早く到着し余裕を持ってチェックインへ。

早速、セキュリティーチェックゲートの前で選手たちを先頭に長い列をなしていると、それを見守るように少々太った中年の男性が、とろけるような優しい笑顔でこちらに向かって手を振っていた。選手たちは、別段気にも止めず次々とゲートをくぐっていったが、列の最後尾で順番を待っていた私たち数名のスタッフに現地の方が、「彼ですよ、あなた方を白バイで先導していたのは」と言った。それを聞かされた私たちは一様に「エッ、ウソやん!」って驚きました。だって、笑顔で手を振るその男性からは、大声で車を止め、オーバーアクションで道を広げ、クラクションを執拗に鳴らしながら割って入ろうとする車を阻止する、そんな姿とは到底一致しないもの。で、慌てて彼に向かって「thank youー!thank you very much!」と繰返し、こちらも大きく手を振って別れに答えました。

先にセキュリティーチエックを済ませていたある選手が、そのちょっとした騒ぎに気づき「どうしたんですか?」って聞いてきたので「さっき、手を振ってた人おったやろ?あの人が白バイのおっちゃんなんやって」と答えると、「エッ、マジっすか!?」とやはり驚いていた。なんだかこの間は小馬鹿にするようなことを書いてごめんなさい。こんどはプライベートで会ってみたいです!^ ^  あの笑顔と、あの巧みなボディーランゲージならば、おそらく言葉の壁なんて関係ないと思うから。それになんだか、人にモノを伝える「表現」という事をちょっと教わった気がしました。

白バイのおっちゃん、ありがとう!ほんまにごめんなー。(←これだけは書きたかった)

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